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VOC対策、やってますか?

VOCを除去するにはどうすればよいか

大気中の光化学オキシダントやSPM発生の原因となり人体への悪影響や環境破壊が指摘されているVOC。2006年(平成18)からは法的な規制も始まり、VOCを製造・使用する事業者は、大小に関わらずVOC排出量の削減が求められています。そこで、ここではVOC処理技術を用いた処理装置についてご紹介します。

なぜいまVOC対策が必要なのか

(1)人体に有害な場合がある

大気中に放出されたVOCは、窒素酸化物とともに太陽の紫外線を受けて化学反応を起こし、有害な光化学オキシダントや浮遊粒子状物質(SPM)を生成します。光化学オキシダントは光化学スモッグの原因となり、目の痛みや咳き込みなど呼吸器官に悪影響があることがわかっています。また、SPMは粒子径が10マイクロメートル以下の微粒子で大気中に長時間滞留しており、吸い込むと呼吸器に沈着。人体に害を及ぼします。さらに、屋外環境だけでなく、室内においてもシックハウス症候群や化学物質過敏症など、VOCによる健康被害が発生しています。

(2)自然環境破壊につながりかねない

VOCによる大気汚染は、多くの環境問題にも関与しています。オゾン層の破壊や地球温暖化などの原因となり、森林破壊や農作物被害につながる可能性が指摘されています。また、VOCの排出量の抑制は、大気環境の改善だけでなく悪臭の発生を防ぐことにつながり、隣接する住宅からのクレームを予防できます。

(3)法的に規制されている

現在、VOCの排出量は「法規制」と業界の「自主的取組」とを適切に組み合わせた枠組みにより、法的に規制されています。「法規制」の対象となるのは、VOC排出量が多いと推定される6施設類型のうち、裾切り基準値以上の大規模施設。法規制の対象となる施設は、排出口での排出基準を守り、定められた測定方法に従って年に2回以上の排出濃度測定を行う必要があります。

一方「自主的取組」の対象となるのは、VOCを製造・使用する全ての施設。施設の規模などに関する規定はないので、VOCを取り扱う事業者であれば自主的取り組みに参加できます。具体的には、業界団体への参加や、削減計画の設定、費用対効果のある対策の立案、自社が排出するVOC量の把握など、事業者の創意工夫に基づいた取り組みが求められています。

VOCを除去する方法は?

VOC処理装置は、工場から排出されるVOCを回収・燃焼処理するシステムです。大企業は設備のクローズ化などを推進し、VOCの排出を抑制していますが、中小企業は、VOC対策の遅れが指摘されており、VOC処理装置によるVOC対策が求められています。

現在、市販されているVOC処理装置は、安価で小型なものであれば処理風量が5~85 m³/min程度(出典:環境省「VOC脱臭処理技術評価ガイド」)。中規模の処理装置では、風量1000~3000m³/hに対応する装置が発売されています。さまざまな製造メーカーが処理装置を発売しており、導入の際は、処理風量、処理技術、処理対象、初期費用、運転費用、装置形状などを詳細に確認する必要があります。

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